あなたの何気ない一言が、部下のやる気を奪っていませんか?
営業、接客、現場の最前線で頑張っているスタッフたち。
彼ら、彼女らが「頑張った」と思った瞬間に、どんな声をかけられるかで、次の成長曲線は大きく変わります。
今回は実際にあったエピソードから、部下指導に潜む“無自覚なNG”と、やる気を引き出す伝え方について考えてみましょう。
1. 【実話】頑張ったのに、なぜかやる気を失った営業職員

ある生命保険の営業職員の話です。
彼女は、会社の商品を押し売りするのではなく、
「お客さまに役立つ情報を提供する」ことをモットーに活動していました。
その日も、個人年金保険を提案。
銀行預金よりも資産形成に役立つことを丁寧に説明し、
お客さまから「これ、私に合っている」と感謝され、契約をいただきました。
彼女は手応えを感じ、
「少しは上司に褒めてもらえるかな?」
と期待しながら会社に戻ります。
しかし上司の反応は、
「え?この商品?ふーん」
と興味ゼロ。
理由は簡単。
この商品は会社にとって手数料が低く、目先の数字に直結しないためです。
部下が契約を取ったことそのものには目もくれず、
会社視点の「効率性」しか見ていない上司。
その瞬間、彼女は深く落胆し、
「期待した自分が浅かった」と自らを納得させながらも、
次の行動への意欲は、確実に下がっていきました。
2. 上司のNGフィードバック——何が問題だったのか?

この上司の問題は、
「部下の努力と成長に無関心」だったことです。
たとえ手数料が高い商品ではなかったとしても、
- 顧客との信頼関係を築いた
- 商品説明スキルが向上した
- お客様視点で提案ができた
という事実は、
会社にとっても本人にとっても重要な財産です。
これを認め、フィードバックすることで、
「次はさらに自信をもって提案しよう」という
正のスパイラルが生まれるはずでした。
3. 明日からできる!部下を伸ばす「3つの伝え方」

では、どんなフィードバックをすればよかったのでしょうか?
ポイントはたった3つです。
- 事実を認める 「今回、お客様から『ありがとう』と言われたんだね。まずそれがすごいよ。」
- 成長をフィードバックする 「情報提供型の提案ができたことは、確実にあなたの営業力を高めている。」
- 次に繋がる問いかけをする 「次は、どんなお客様にも合った提案ができるように、引き出しをさらに増やそうか。」
この3ステップだけで、
部下の自己効力感(自分はできる!という感覚)は格段に高まります。
さらに、このフィードバックを日々繰り返していくことで、
部下は「自分の行動がちゃんと認められている」と感じ、
次の提案・発信・挑戦にも前向きになっていきます。
その積み重ねはやがて、
- 新しいアイデアの提案
- 顧客との関係性の向上
- 成果の“自分ごと化”
といった行動を引き出し、
組織全体のエネルギーやスピードを底上げする力へとつながっていくのです。
■ まとめ ——こんな組織になっていませんか?

「部下が育たない」
「やる気が感じられない」
そんな悩みを抱えている組織は、
コミュニケーションの土台が崩れています。
部下を“おだてる”必要はありません。
でも、事実を認め、成長をフィードバックすることは、
組織の生産性を上げる“最もコスパのいい投資”です。
あなたの組織では、
部下の成長を支える会話、できていますか?
【Next Action】
小さな成果を見つけたら、「事実+成長+問いかけ」の3ステップを、今日から実践してみましょう。
いかがだったでしょうか?
人手不足や離職率の改善を研修で改善する前に、たったこれだけの「心がけ」をするだけで現場は大きく変わります。
たったのそんなこと…と思われた方は、普段から業務や部下、現場の多くのことを「たったの」と見ているということです。
何か奇跡が起きて劇的に変わるということはありません。
一番強いのは、日々のコツコツとした小さなことの積み重ねです。
とはいえ、根付いてしまった組織風土や空気を変えるためには、外からの客観的な視点のアドバイスも必要です。
弊社ではただコミュニケーションスキルが身につく研修を、というものを提供していません。
なぜそれが必要なのか?本当にそれが課題なのか?を徹底的に研修担当者や育成担当者の方へヒアリングします。
場合によっては経営者層、現場のスタッフからもリアルな声を拾い上げて、本当の課題を掴みます。そうでないとどんな研修を受けても「効果が感じられにくい」のです。
どこかから、やり方や考え方を変える必要があります。
そのお手伝いを弊社は行っておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。